ジョゼと虎と魚たち
[公開]
2003年12月
[出演者]
妻夫木聡/池脇千鶴
上野樹里/新井浩文
新屋英子
[感想]
見てみたい!と思っていた作品でした。
池脇千鶴さんが可愛らしくて、好感が持てる子なので。
あの乳母車で坂道を下ってカードレールにぶつかる、無傷なわけねぇだろ!最低でもムチ打ちだろ!とツッコミたい気分ですが、それは置いておきたいと思います。
心地良いスピードで話しが進んでいく展開が好きです。
言葉には出さずともお互いの思い、時間の経過が意識せずに伝わってきた。
そんな良い雰囲気で見ていただけに最後にはちょっとビックリ。
あっさりし過ぎで拍子抜け。
その結果、弱い部分を見せた女ならば誰にでもコロコロと落ちまくる安い主人公、恒夫がそこにいた。
(それにしても上野樹里さん、垢抜けたねぇ。)
残念。
初めから軽い大学生って感じだったからね、強いものを持った人でないことは明らか。
ジョゼに出会って...って話しだと思っていたけれど、人間はそう変わらない。
現実的な部分を突いた作品だとも思います、夢は見られません。
寧ろ、私こそが身障者に対して特別な感情を持っていたことに気付かされた。
身障者の恋愛はハッピーエンドになることを前提として見ていた部分があるから。
様々なハードルを乗り越えていく2人だからこそ生まれる強い絆、同等以上に仇になるケースも。
ドライブ中の恒夫の表情が正にそれを表していたような。
でもそんな彼こそが相手を色眼鏡で見ていない、ジョゼ自身に惹かれたんだろうと思うと、自分が恥ずかしくなった。
ジョゼは自然体、恒夫と出会って何か変化があったのかな?とさえ感じさせる。
あの口調や雰囲気、とてもじゃないけれど恋する女の子の定番さはなかった。
正直、あのツンデレ系?は疲れるだろうなぁ〜。
たまに見せる弱さが堪らない人もいるだろうけれど、この映画の中では1度だけ。
自分でなければいけない、他の人間では駄目!って自信を持って感じることが恒夫は少なかったのではないか?と想像出来る。
でも最後に駆け抜ける後姿はカッコ良かったな。
彼に出会って彼女の人生は文字通り変わった、そのことだけでも恒夫が自信を持てる部分として自覚してくれているといいな。
幸治が良いよね。
あんな奴と町ですれ違ったら間違いなく目を逸らすけれど、悪態つきながらも離れていかない人は彼だけかと思う。
そして映画を見終わった後、その2人の将来が浮かんでしまいました。
やっぱり男が必要ってことなのか?と、自分で自分に問いかける私、何故か軽く落ち込みました。
きっとジョゼはそんなことを微塵も考えていないと思うから。
[0回]
*当方、平和主義者ですのでお手柔らかに...。